女子トイレの前に行くと、中からクスクスと笑い声が聞こえる。
複数名の声がする。
普段は手を出せないけど、お姫様と一緒だったら手を出せるって訳ね。
トイレの扉を開けると、全身に水がかけられる。
これは予想にもしなかった。
「ざまぁみろ。」
「笑えるねー!」
お姫様と二人の女の取り巻きが笑っている。
腹を抱えて笑う姿に、怒りよりも呆れを感じる。
こんな風に裏でしかできないなんて、可哀そうな人たち。
「それよりも用ってなに?」
睨みながら、斉藤ゆきに話しかけた。
斉藤ゆきはおびえたような表情になる、すぐに余裕な笑みを作る。

