相手は何も言おうとしないけれど、私への視線を決して動かさない。
私も相手から視線を背けることが出来ない。
「りおー」
理央を呼ぶ声が聞こえる。
理央は振り返り、私も振り返った。
声の主は、斎藤ゆき 現青龍のお姫様。
私の最も苦手な人で、嫌いな人。
「……なんで、ここにいるの?元お姫様が。」
元を強調させるように言った。
そして、自分の腕を理央に絡めた。
「自分のクラスだから。」そう言って、逃げるように二人の前から去る。
理央に触らないで、なんて言えない……絶対に言っちゃいけない。
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