双竜のお姫様










斎藤ゆきの腕を振り払って、乱れた髪の毛を整える。


斎藤ゆきの顔があまりにも余裕がない。





髪の毛が引っ張られすぎて痛い。






「あんたなんかに渡さない。」






理央のことを言ってるのかな。


私は話しかけることも近づくことも許されないのに。


私と違って、近くに居るのに……。






「理央は私のものなの!」



「ものじゃない。」






理央をものにしか考えてない。


青龍のことも青龍の幹部のことも他のメンバーのことも……




やっぱり好きになれない。


皆を道具にしか考えてないところが、特に。