私は廊下を歩いて体育館へ移動した

みんなここに集まっているんだよね、早く行かなくちゃ…

「もう集まっているのかな」
重い扉を開けて中へ入ると……………

裁判所だった

「え、あれ…ここ…体育館…のはずじゃ…?」
そこは見慣れた体育館ではなかった

「遅刻ですフィーナ・クロフォード
 速やかに中へおはいりなさい」
一番高い壇上にいる女性が、威厳ある声でフィーナを注意する

「は、はい」
私は驚いて中へ入って扉を閉めた。バタンと重い扉の閉まる音がする
壇上の女性は、私が中へ入ったのを確認すると声を上げた

「それでは、これよりチサ・アシュリーが遺体で発見された件について、被告人エミリー・ヘルキャットの裁判を開廷します」
大きく木槌が鳴った

千沙…ってチサ・アシュリーじゃない!松下千沙だ!
それに、被告人席に座っているのは、クラスのリーダー的存在の岩崎恵美のはずだ
エミリー・ヘルキャットなんて聞いたことがない
私の名前は、フィーナ・クロフォードだと、先生も言っていた
どういうことなの?この世界はいったい何なの?ほんとうにここは私の通っていた高校なの?