「えー、最後に柳沢祐希さんです。」
祐希は一体誰に思いを伝えたんだろう。
「美吹優、桜が降る前に待ってるあの木の下で」
それだけだった。
でもその言葉は海で言われた言葉と同じだった。
私は会場を出て急いで祐希の家に行った。
「ほら。やっぱり今日だとおもった。」
「遅いぞ。美吹優。来たってことはあのビデオ見たんだね。」
すっかり大人びた祐希はとてもカッコかった。