デスクに戻ると仁美ちゃんが瞳をうるうるさせて「編集長❣」と駆けよる。

「ど、どうしたの?」

「編集長、嬉しいです。こんなに私達の事思っていてくれて」と抱きついて来た。

「広報見ました。アルバイトの私の事まで書いてくれて凄く嬉しかったです」と恵美ちゃんもうるうるしている。

広報の原稿にこの部の皆んなの事を書いたのだ。

一緒に苦労して【La lune】を作って来たここの皆んなが私の自慢だから。

「橘先輩の追加文も凄く愛を感じました」と仁美ちゃんがいう。

宏海の?

追加文?

愛を感じました?

なんのこと?

私は自分のパソコンで広報を開くと……

私の記事の後に宏海の追加文が載っていた。

「宏海、これいつ書いたの?」

「美貴野が部長に原稿出してすぐかな?部長に頼まれてね」と、微笑む。

あっあの時…私が声を掛けてもろくに返事もしなかった時に書いてたんだ…



そこには…


【La lune】を立ち上げた時の話が書いてある………

彼女は仕事一筋で決して妥協を許さないとても厳しい人だがそこには愛を感じる。

だから私達は彼女を信じてついていける。

人に厳しく自分にはもっと厳ししい鈴木美貴野に今後もついて行きたい。と締めくくられていた。



「私こんなに仕事人間じゃないよ!…………でも…ありがとう」