2月に入ってまだまだ寒さは厳しく今日は朝から雪がチラついてる。

「あぁ寒かった」と宏海が出先から帰って来た。

「お帰り。久野先生の原稿どうだった?」

「順調だった。あと2、3日で上がりそうだよ!先生がたまには顔出せって言ってたわよ」

「そのうち焼酎持って行かないとね」と苦笑する。

禁酒をしている為久野先生に誘われてもここの処断ってばかりいる。

朝までシラフで久野先生の相手するのは辛い。

「美貴野、はい!」

宏海は私のデスクの上に紙袋を置いた。

「ん?」

「あんたちゃんと食べてるの?最近また痩せたんじゃない?」

お正月に母が持たせてくれたものも食べ尽くしあまり食欲が無かったのできゅうりや魚肉ソーセージばかり食べていた。

最近は魚肉ソーセージも食べれなくなっていた。

「最近食欲なくてさ」

「もぅあんた面倒くさがりだからお腹空いてても作らないだけでしょ?」

宏海は紙袋からサンドウィッチとスープを出し一緒に食べようと言ってくれた。

「ありがとう」

「クラムチャウダーとミネストローネどっちが良い?」

「どっちでも良いよ」

「じゃー私ミネストローネ!美貴野クラムチャウダーね!」と言ってカップのフタを開けて渡してくれる。

「うっ…」気持ち悪い…

私はトイレに駆け込んで行った。

便器に覆いかぶさるようにしていると宏海が心配して来てくれた。

「美貴野、大丈夫?」

「うん…大丈夫」

気持ち悪くて吐きたくても昨夜からなにも食べていないから吐くものもない。

「体調悪いなら今日は帰ったら?」