辰次郎さんと酔った勢いで寝てしまったが、その後は辰次郎さんと顔を合わせていない。

特に避けている訳ではないが…

年末という事もあって仕事に追われていた。

世間はクリスマスだと浮かれているが相手の居ない私には関係ないものだ。

今日はうちの部署の子達も早々と帰って行った。

宏海もいつもよりお洒落をしている。

白いニットのワンピース姿で彼女にとても似合っている彼女も今日はデートのようだ。


「美貴野あんたデートする相手ぐらい居ないの?寂しいわねぇ」


「悪かったわね!?私の事は良いから、さっさとデートでもなんでも行きなさいよ!」


宏海は「じゃー」と手を振って帰って行った。


そして残されたのは私ひとりだけだった…


「帰りにチキンでも買って帰るか?…」と私も社を後にした。


帰りに白い髭をはやしたオジサンが立つチキンのお店の前を通ったが凄い行列でさすがに1本だけ買う事が恥ずかしいのでマンションの近くのコンビニでビールとチキンを1本買う事にした。

部屋に帰るとシャワーを浴び借りて来たDVDを見ながらビールを片手にチキンを食べる。

これも去年と同じパターンだ…