ツケマお化けに恋して

ダイニングルームに戻るとテーブルに置いてあったコンビニの袋の中を見て辰次郎さんはため息を付いた。


「またコンビニの弁当か？こんなのばかり食べてちゃダメだろ？」


「はい…」


すると辰次郎さんは筑前煮を出してくれた。


「良いの？」


「あぁ沢山作ったから、さっきあんたの所に持って行こうと思って外に出たらあんた達の声がしてな…」


「辰次郎さんいつもありがとう…」と頭を下げた。


「ビール貰うぞ？」


辰次郎さんはコンビニの袋から缶ビールを２本取り出すと１本は私に差し出す。

互いに飲もうとプルトップを開けると…

「ぅわっ！」と辰次郎さんは驚いて叫ぶ。

辰次郎さんのビールが活きよい良く噴き出したのである。

さっき稔に腕を掴まれた時にコンビニの袋を振り回したから缶ビールが…

辰次郎さんは思いっきり顔にビールがかかったようでビショビショだった。


「ﾌﾟﾌﾟｯ アハハ…辰次郎ビールも滴る良い男じゃん！アハハ…」


「クッソー！」


辰次郎さんは濡れたスウェットの上着を脱ぐとそれで顔を拭いている。

すると笑っている私の顔を見て…


「やっといつものあんたに戻ったな？」


「えっ？」


「さっきから辰次郎さんって、さん付けで気持ち悪いんだよ！」といって着替えに立って行った。