12月になると寒さが厳しくなり街はクリスマスムード一色だ。

18時を過ぎた頃、宏海が私のデスクまで来ると声を潜めて話す。


「ねぇ知ってる?木村、最近出社してないらしいよ?」と教えてくれた。


「えっ?」


体調でも崩したのかな?


「さっき総務の女の子が話してたのを聞いたの…もぅ2週間来てないって…でも営業の一ノ瀬君が飲み屋で1人で飲んでるの何度か見てるらしいよ!だから病気ってわけじゃないらしい…」


「そうなんだ…」


稔…何やってるの?!…

このままじゃ会社に居れなくなっちゃうよ…


「じゃー今日はデートなんで帰るね!美貴野もたまには早く帰りなよ」と宏海は私のデスクにリボンの付いた箱を置いた。


「えっ?」


「なに?自分の誕生日も忘れたの?」


今日、12月3日は私の34回目の誕生日だった。


忘れてた…


「宏海ありがとう」


「それを着けて見せれる相手を早く見つけなよ」と笑って帰って行った。


早速、宏海に貰ったプレゼントを開けると赤いレースのランジェリーだった。

隠せる範囲が狭過ぎるよう…


「誕生日プレゼントは嬉しいけど…これなかなかきわどいよねぇ」


彼氏が居ても着けて見せるには結構勇気がいると思う。


雑誌の発売日から1週間ほどは私も比較的早く帰る事が出来る。


「19時か?私もたまには早く帰ろっと…」