翌朝、目が覚めベットの上で手足を伸ばす。


「うぅーん…あれ?…また着替えずに寝ちゃったのか…」


目を覚ますと昨日の服のままだった。


ピンポンーピンポンー♪


「えっ?また私、辰次郎さんに迷惑かけたの?」


ドアのカギを開けると辰次郎さんが入って来る。


「もうー着替えなさいよって言ったのに…スーツシワだらけじゃない?ヤーねぇ〜」


「やっぱりまた辰次郎に迷惑かけちゃったの?ごめんなさい…」


「ミチルよ!そんな事より男に喧嘩ふっかけるんじゃないわよ!?ヤーねぇ〜たまたま私が通りかかったから良かったけど?」


うっわー男に喧嘩ふっかけたなんて覚えてない…


「スーツは私のと一緒にクリーニング出しといてあげるわ、早く脱ぎなさい!」


「脱ぎなさいって言われても…」


「なに?女同士だから恥ずかしがらなくても良いでしょ?」


いやいや女同士じゃありませんから!
私は顔を横に振る。


「面倒くさいわね?はい!しじみの味噌汁、スーツは出掛ける時にうちの玄関のノブに掛けときなさい」


辰次郎さんはそう言うと部屋を出て行った。


私は「お世話をお掛けしました」と辰次郎さんの居なくなったドアに向かって頭を下げたのであった。


シャワーを済ませ支度をして玄関を出ると、辰次郎さんのドアノブに「お願いします」とスーツの入った紙袋をぶら下げ出勤する。