ツケマお化けに恋して

18時を過ぎ書店周りをしていた営業部の話だと【La lune】の売れ行きは思っていたよりずっと良いようだ。

この調子だと社長賞も夢じゃないだろう?


「みんなお疲れさま。今、営業部からの連絡で【La lune】の売れ行きはまずまずみたい有難う!」


「ヤッター!」


ガッツポーズをする人や隣の席の人と握手をし、抱き合って喜ぶ人、互いを讃え合っている。

この部署を発足した11月の時は4月の発売と聞いていた。

しかしライバル社が3月に新刊発売があると聞き発売が急遽1ヶ月早まり3月3日の桃の節句に合わせる事にしたのだ。

勿論、新刊だけではなく翌月号も合わせて作らなくてはいけないのだから皆んな泊まり込んで居た。

本当に時間がない中皆んな頑張って作ったのだ、喜びもひとしおなのだろう。

私も胸が熱くなり瞳を潤ませる。


「次も良い物作ろ!明後日の会議にも良い企画上げてよね!」


「はい!」


「宏海、悪いけど今日先に帰るわ、あと宜しく!」


「了解!お酒ばかり飲んでないでちゃんとご飯食べなよ」


「はいはい、じゃ!」とここ第五編集部を後にした。




今朝出かけにポストを見たら稔から結婚式の招待状が届いていた。

そして昼にはメールも来ていた。


《彼女がどうしても式を上げたいというから式を挙げる事にした。同期のメンバーにも招待状を出したから良かったら美貴野も出席して欲しい》


なんで別れた女にまで招待状よこすのよ!

何が良かったらよ馬鹿じゃないの?!

誰が行くか!!