もう男なんて要らないこれからは仕事に生きる…
仕事は裏切らないし頑張ったら頑張っただけ返してくれる。

そう自分に言い聞かせてこの半年近く頑張って来た。





そして、明日の発売まで漕ぎ着けた。


今日は編集部のみんなと前祝いに行く事になっている。


「編集長、もうみんな行きましたよ、あれ顔色悪くないですか?」


バイトの恵美ちゃんが声をかけてくれた。

最近寝不足だったせいか朝から体がだるかった。

寝不足は私だけじゃないし甘えた事など言ってられない。


「大丈夫だよ、さぁ行こう!!」


椅子から立ち上がった途端目眩が…


「編集長!!」


恵美ちゃんが慌てて駆け寄り支えてくれた。


「大丈夫…」


「大丈夫じゃないですよ、熱があるじゃないてすか!?今日は帰った方が良いですよ、皆には言っときますから」


「ごめん…じゃこうさせてもらう帰るね…これで払っといて」


財布からお金を出し恵美ちゃんに渡し帰る支度をする。


「8万も?!居酒屋で多いですよ!」


「新刊のお祝いだもん!みんな頑張ってくれたし、それに呑兵衛ばかりだから好きなだけ飲ませてやって、恵美ちゃんもそれでタクシーで帰りな!じゃ宜しくね」


社を出るとタクシーに乗りマンションの前まで帰って来たがなんだかクラクラして直ぐにタクシーを降りる事が出来なかった。


「お客さん大丈夫ですか?」


タクシーの運転手さんが心配して声を掛けてくれる。


「はい、大丈夫です。ありがとうございます」


なんとかタクシーを降りマンションのエレベーターホールまでたどり着いた………