ここ、フィレム王国にはドラゴンの伝承が強く残っている。
かつてフィレムの人々はドラゴンと共に生きていたという。
そして中でも王族はドラゴンとの結託が強かったと言われていた。
力の強いドラゴンが王を自分の主君だと認めたら、お互いの血で生涯の契約をしたという。
その絆は強く、そして神聖なものだった。
そのおかげで他国から攻め入られてもドラゴン達と力を合わせたフィレムの人々は負けを知らず土地を護ってきた。
……愚王が誕生するまでは。
「本当に、伝説上の生き物なのかしら」
「150年前の暦書でドラゴンの伝説は途切れていますからねぇ……やはり存在はしないのじゃないでしょうか」
150年前といえば最近の様にも思われるが、人の世の移り変わりには十分な時間であり伝説となった。
