〜彼は虹に変わった〜


─優真side─


俺は、亜希ちゃんが泣いているのをみて、ほっとけなくなった。
いつもなら、人を抱き締めたりしない。
でも、なんでだろう?
勝手に体が動いた。

抱き締めると亜希ちゃんは、ギュッと抱きついてきた。

「守るから」

「え?」

「絶対に守るから」

なぜだろう?
勝手に口が動いた。
でも、本当にそう思ったんだ。

俺は、亜希ちゃんの手をひいて歩いた。
いつも、無表情な亜希ちゃん。

周りからは、冷血女なんて呼ばれてる。
入学してスグに彼女の事は聞いた。
一年に無表情の女の子がいると。

肌が白くて髪が黒くて真っ直ぐ。
眉毛のところで切り揃えられた前髪。

よく、顔が見えない。

でも、なぜか目が行く。
不思議な子だ。


「亜希っ」

自分で呼んでおいて自分でびっくりしてる。

「へっ?」

「って呼んでもいいかな?」

亜希ちゃんは、やっぱり無表情のまま。
でも、きっとびっくりしてるんだろうな?
なんて考える。

「は、はいっ」

そう言った彼女の顔はフワリと微笑んだ。
俺は、言葉を失った。


─ドキッ─


「え?亜希っも、もう一回っ」

「え?何がですか?」

そう言うと、いつもの顔に戻っていた。

「もう、いいや……じゃー、またね?亜希っ」

俺は、諦めて階段を登ろうとした時

「はい。ゆ、優真先輩っ」

かわいいな?

「あははっじゃっ」

そう思った。
俺、亜希の事好きだ。