〜彼は虹に変わった〜



教室に入ると一斉に女子に見られた。
私は、スグに察知した。
あぁ、相田先輩のことだな…。

「熊田亜希いる?」

「私です。」

教室の前のドアから先輩であろう女子達に声をかけられた。

「ちょっと、いいかな?」

「はい。」

私は、その先輩たちに付いて行く。
その中には、知っている顔もチラホラいる。
よく、相田先輩の近くにずっとくっついている先輩だ。

付いて行くと中庭だった。

「どうして、呼ばれかわかるよね?」

「相田先輩のことですか?」

「そうっ」

先輩達は、私に向かって罵声を飛ばしてくる。

『あんたなんか相田くんには似合わないのよっ』
じゃあ、誰なら似合うんだっつうの!

『ブスはブスなりにブーブー泣いてればいいのよっ』
意味わからん!

私は、それをただ聞いているだけ。

「ねぇ?」

「はい。」

「もう、相田くんに近寄らないでくれない?」

なんで、こんなこと言われなきゃならないの?

「…………す、イヤです。」

「はぁ??調子のんなよっ」

「先輩達に何を言われようと私には関係ありませんっ私は、相田先輩が好きなだけです!」

私は、はっきり真ん中にいる先輩の目を見て言った。
先輩達の顔は、怒りでひどい顔になっている。

「まじでキメーっ調子乗ってんじゃねぇーよっ」

先輩が、掴みかかってきた。

「触んじゃねぇーよっ」

振り払ったが何人もで押さえつけられた。
振り払おうとしても、振り払えない。

「一生近づけないようにしてやるよっ」

うそっうそっうそっ
一人の先輩が手を振り上げた。
私は、目をつぶった。

あれ?来ない。

もう、バチーンっと来てもいいはずなのに…。
それどころか、周りは静まり返って私を掴んでる力も弱くなっている。

私は、恐る恐る目を開けた。

「ぁ、相田先輩?」

そこにいたのは相田先輩だった。
先輩達の顔が真っ青になっている。

「何してんだよ……」

いつもの相田先輩ではなかった。
怖い表情で低い声が響く。

「え、えっと…………」

先輩たちは、しどろもどろになっている。

「邪魔だ……お前らどっか行け」

「あ、相田先輩?」

先輩達は、顔を真っ青にして走っていった。
相田先輩が近づいてくる。

「ごめん、ごめんなっ?俺のせいで……」

先輩が私を抱きしめた。
私は、また先輩の胸の中で泣いた。

怖かった…………。

あんなに強がっていたけど、
すごく怖かった。

「もう、大丈夫だからっ」

私は、先輩にしがみついた。
怖くて怖くて。

「ごめんなさい……」

何終えて私は先輩から離れようとする。
でも、先輩は力を強めた。

「………るから…」

「え?」

「絶対に守るから」

先輩は、そう言って私をもう一度ギュッと強く強く抱き締めた。
先輩は、離れるといつもの笑顔で「行こっか?」と私の手を引いて歩きだした。

私は、先輩に手をひかれて歩き出す。
私は、ドキドキが止まらない。