「今日はこの辺で終わっとくか」


「うん」


パタンとノートや問題集を閉じる


「今日は頑張ったと思うぞ。この調子で進んだら8月真ん中位には終わるだろ。後は遊びまくってやろうぜ」


「だね!8月にはお祭りがたくさんあるし、プール行きたいなぁ」


祭りか、去年はどうしたっけな…確か男ばっかで行った気がするけど


「お祭り一緒に行こうね!」


「おう、当たり前だろ。んじゃ今日は帰るわ、また明日な」


「うん!じゃあね、また明日」


鞄を手に取り、玄関へ向かう前にリビングへ行く


「あらっ、蛍君帰っちゃうの?」


「はい、今日はありがとうございました。」


「いーえ、明日も教えてやってね」


柔らかい笑顔で言われ、俺も釣られて柔らかく笑ってしまう


「お邪魔しました」とリビングを出て桜が待ってる玄関へ向かう


「じゃあな」


「うん。じゃあね」


胸の前で小さく手を振り、俺も振り返して自転車にまたがる


ペダルに足をかけ、踏み込む


蒸し暑い夏の太陽に照り付けられながらも家までの道をたどる。


明日もその次も桜に会えるかと思うと、夏の暑さも感じなくなる気がした