彼は私のただの助手!



紅茶の入ったティーカップから手をパッと離し、目の前でぶんぶん手を振る

が、フフッと笑って「良いのよ」と言ってくれる


「それだけ桜の事を見てくれているってことでしょ?」


「えっ、いやっ、その…」


俺と桜のお母さんの間でしか聞こえないような声でコソっと言われてしまった


「用意出来たよ!ごめんね遅くなって」


扉から着替えて出てきた桜の顔をなぜかじっとみれない


「桜の事、よろしくねっ」


「えっ!?ちょっ、そんな…」


「お母さん、蛍に変な事言わないでよ?」


お盆にコップやお菓子やと色々な物を乗せながら忠告するも、もう遅いです。


「桜、しっかり勉強教えてもらうのよ」


「わかってまーす」


「あっ、蛍君。アイス冷凍庫入れといたけど、もう持っていく?」


テーブルの上に置いてあったはずのアイスが入った袋が無いことに今更気づく。