「あ、凛さん。蛍に原稿見してもいいですか?」
「あぁ、もちろん良いよ。助手なんでしょ?」
そう、俺は桜の “ただの助手” なんだ
「うん。…あ、助手って言い方私何か嫌なんですよね」
「何で?助手は助手でしょ?」
栗原さん痛いとこ突いてきますね……
「そうなんですけど、助手って“小説家の助手”でそれ以上でもそれ以下でもないじゃないじゃないですか。でも蛍は学校も自転車で送ってくれるし、帰りも危ないからって送ってくれるし、勉強も教えてくれるって言ってくれるから、何か助手だけの関係じゃない気がして……」
「…っ!」
『助手だけの関係じゃない』
その言葉がこんなに嬉しいなんて思わなかった。
後、なんでこんなに嬉しいのかも、今わかった気がした。

