「あっ、えっと、あの、隣の組の、はっ、春野桜っ、です」


うわぁ、日頃人と話さないから何言ってるかわかんないし!


「あぁ、兄ちゃんから聞いてるよ。後そんなに緊張しなくていいよ、同い歳なんだし」

ニッと白い歯を見せて笑ってくれる泉さん。


髪は栗色、背はすごく高い。耳にはキラッと光る2つのピアス。


私の書いてる人にそっくり……。


「あっ、はい、すいません…」


「いや、謝んなくていいよ。話しするんだったらどっか他んとこ行く?」


「はい、すいません。」


「さっきから謝り過ぎ、何も悪いことしてなくない?」


「すい………はい。」


さっきから私はほんとに…!


「えっと…あ、図書室行く?俺こんなだけど図書委員なんだよ」


「そうなんですか……あっ、鍵私持ってます、えっと……あっ!」


鞄に入れっぱなしだ…


「すいません、あの、鞄の中に入れてあるので取ってきてもいいですか?」


「良いよ、あ、俺飯まだだから購買寄るわ。先行っててくれる?」


「わかりました」


そう言えば私もお昼まだだった、緊張で忘れてたし…

今まで学校では原稿原稿だったから、あまり人と話さないんだよね、おかげで友達もいないんですよ、はい。