「えぇー、明日から夏休みに入りますが……」
今日は終業式。長い長い校長の話しを右から左へと聞き流し、ぼーっとつっ立っている。
明日から夏休みかぁ、休みだけど勉強なんだよ!何で勉強なんだよ!
友達がいる人は祭りとか海とかプールとか、夏休みならではな事を楽しくワイワイ言いながらすごすんだろうなぁ。友達がいるいる人は……
自分で言って自分で傷つく、何やってんだ私
「えぇー、生活リズムを崩さず、決して事故などに巻き込まれないように」
長い校長の話もようやく終わりのようだ。
ズラズラと講堂を出て自分の教室へ行き、席に座るとまた担任の話しが始まる。
終業式は授業がない分色々な先生の話がいちいち長い。これもまた右から左へと聞き流す。
「夏休みだからと言って浮かれて遊びっぱなしだと、後々しんどくなるからな、夏休み明けにはテストがあるの忘れんなよー」
バチッと先生と視線があった気がした
わかってるよ、勉強でしょ勉強。
「まっ、そういう事だ。変な事に巻き込まれるなよ、今日は解散っ!」
皆が皆自分の気持ちを口からこぼし、教室を出るものもいればまだ後ろに固まって話している者もいる。
私はまだ終わっていない蛍を待つために廊下へ出る。