「昼休みと放課後はだいたい図書室にいるよ?」


『そっか、わかった』


え、それだけ?


「…それだけ?」


『うん、それだけ。ごめんな』


「ううん!全然良いよ」


『ありがと、あんま頑張りすぎんなよ』


「っ……うん!ありがとう!」


『おう』


プツッ…


頑張りすぎんなよ、か…家族じゃない人に初めて言われたかも……



「蛍君だった?」


「うわぁ!なななっ、何でいるの!」


扉を少し開け、ニヤッとした顔でそう言ってくる

なんなの!しかも勝手に扉あけんな!


「誰だって良いでしょ!ほらあっち行って!原稿で忙しいの!」


「はいはい」


はぁ、あのお兄ちゃんは…


んんーっと伸びをしながら時計を見るともう11時を過ぎようとしていた。

…あと1時間だけしよっと。