ピーンポーン


今なぜ桜の家のインターホンを鳴らしているのかというと、桜の携帯で、桜のお母さんから電話があったからだ。


「蛍君ごめんね。さ、入って」


「おじゃまします、あの、桜は…」


「熱は38度でまた上がってるの。こんな時にお父さんは仕事で、お兄ちゃんも仕事、私も電車でちょっと行かないといけないし…」


「大丈夫ですお母さん。心配しないで行ってきてください。桜には俺がついてますので」



そう。今日桜の家に来たのは、桜が熱を出したからだ。

桜を看病したいが、用事があるからお母さんはできない。

だから代わりに俺が呼ばれたわけ。