「ねぇ隼、もしかして隼の好きな人って…」
言いずらそうに自分の髪を触れながら俺を見上げる。
背の低い春は見上げるだけで自然と上目遣いになる。
え?もしかしてばれた?ばれちゃった??
「好きな人って、愛?」
「…は?」
「え!あ、違ったらごめん!けど仲良しだしもしかしたらそうなのかなって思って…」
うん。大丈夫でした。
鈍感天然の春が気づくはずないですよね…
「美作は、本当にそんな風に見てないんだよ。見てないんだけど…」
見てないのになんでだ。春の事が好きなのに、あの日から美作の事が頭から離れないし、今日も似合ってるとか言っちゃったし…
「春に問題です」
「はっはいっ」
急な展開に春の声が裏返る
「この問題の登場人物は実在しません。」
「はい…?」
最後にハテナマークが付いているような返事が帰ってきた。
「隼君には好きな人がいます。その子の名前はAちゃんです。隼君はAちゃんに告白しようと何度も思ったのですが、なかなか勇気が出ず告白できませんでした。」
「はい」
「そしてある日、Aちゃんには彼氏が出来ました。」
「え…」
俺の話をまるで映画でも見ているように感情が口から漏れてしまっている

