「じゃあ美作と行ってくるわ」


「んー」


少し遠くにある家に2人で向かう


「………」


沈黙が続き2人の間には心地の良い波の音と砂を踏む音だけが聞こえる


「なぁ」


数分の沈黙の後、泉が口を開いた


「萩野ってさ、意外といい奴なんだよな」


「ん?」


いきなりの事につい聞き返してしまう。


「最初チャラくて嫌いだったんだけどさ、最近なんか、いい奴だなって。うまく言えねーけど…」


「…私も、萩野はいい奴だなって思うよ。常にテンション高いし煩いけど、優しい人。」


だって、あんな事言った後でもちゃんといつも通りで接してくれる。それは簡単な事じゃないと思うんだよね


「美作と萩野、何かあった?」


「…はい?」


「いや、なんかいつもと違うなって」


バレてましたか…


「はぁ、気づいてたんだ」


「いつもと違うって事しかわかんねーけど」


「…フラれたんだよね、私」