「彼女さんをしっかり守ってくださいねー。いってらっしゃーい」
このお兄さんの言葉で私達2人の間には気まずい空気が漂う
あの件から日は経ちみんなの前では普通に話せていたが、いざ2人きりになるとこうなってしまう。
まぁ予想はついていた事だけど。
「萩野、あの事は気にしなくて良いからね」
「あ?」
「あの時は雰囲気に流されて言っちゃったー、みたいな?だからそんな気にしないでね」
水着の事を褒めてくれたのも、たぶん気を使ってくれたのだろう。
「あぁ。俺こそごめんな、お前の気持ち気づかなくて」
「そんなの全然いいの。てかさぁこんな話してたらお化け役の人出ずらいよね」
おかげでさっきから全然お化けが出てきていない
「そだな。…おーい!出てきていいですよー!」
「プッ…ハハハッ。何それバカじゃん!」
「いやだってさぁー。つーかバカって酷くね!?」
お化け屋敷でお化け呼ぶ人初めて見たわ
このバカのお陰で今普通に話せてるんだけどね
「うわ冷たっ」
「え?うわっ、ほんとだ」
水が上から数滴落ちて来て、それが頭に当たる
「すげーな、よく命中させたよな」
「驚くとこそこなのね」
うん。やっぱりバカだな