「あの、ご要件は…」
「あっ、そうそうこれ。どーぞ」
はい、と渡されたのは手提げのケーキ箱
「どうしたんですか?これ」
「んー?桜ちゃんには度々お店に来てもらってるからね。新作のケーキを試食してもらおうと思って。頑張ったんだよー、ほらっ」
ケーキ箱を開けると、中には丸くて可愛いケーキが入ってあった
苺が1つ乗っていて、まわりには苺を縦に切ったのが引っ付いていて、一番底はビスケットが敷いてある
「うわぁー!これお兄さんが作ったんですか?」
「自信作なんだよ。レアチーズケーキ。桜ちゃんが苺大好きって言うからさ、頑張っちゃった」
「すごーい!蛍見てよ!すごく可愛いよ!」
隣にいる蛍にも見せる
「最近何かしてると思ったらこれかよ」
「なんで怒ってんだよ。お前も好きだろ?ケーキ」
「…好きだけど」
後ろ髪を弄りながら言う
蛍甘いの好きなんだぁ、ブラック頼んでたから苦手なのかと思ってた

