彼は私のただの助手!




萩野の手を掴み、私の方から下ろす


ほんと人多いな、しかもカップル多すぎ…

背はあまり低くない方な私でも、こう人が多いとなんも見えないよ



それから進み残り少しとなった時、結構な人だかりが見えた


あっ、ペンギンかぁ、んー、前の人背が高くて見えないな…
精一杯背伸びをしてペンギンを見ようとしていると


「えっ!?」


ふわっと足が地面から離れた


「これで見えるだろー」


私をひょいと軽く持ち上げる萩野、それはただ本当に私にペンギンを見させようという気持ちだけの抱っこ。

だけど周りを見ると当たり前だが視線が私に集まる


「わぁーすごいねあの彼氏!ねえ私も抱っこしてぇー」

「は?無理だろあんなの。見た目によらずあの彼氏力あるなー」


などの声があがる


「っ!!おっ、下ろして!」


「は?なんでだよ、下りたら見えねーだろ」


「いっ、良いから!」


足をバタバタと動かし無理やり下りる

何考えてんのよコイツは!


地面に足がついた瞬間その場からすぐ逃げた

後ろから萩野の声がしたが、返事もせずに走る

人と人のあいだをすり抜け、展望台と書いてある扉の中の階段をダッシュで登り、冷たい鉄の扉に手をかける