「俺家まで送るわ」


「えっ、良いよそんなの」


胸の前でブンブン手を振り断られる

その手のせいで巾着もブンブン揺れてますよ


「こんな時間になったのは俺のせいだし、女1人はまずいだろ」


しかもここの道は街頭が少なく人通りも少ない。

こんな道に1人で帰らすほど俺は鬼じゃねーっつーの


「…あっ、ありがと……。」


「ん」


少し美作の頬が赤くなっている気がしたが、それはこの街頭のせいだろう。


いつもより歩く速さを落とし、2人並んで歩く。



静かな夜道には下駄の音と、靴が地面に擦る音だけが響いた。