後ろの髪を触りあまり興味が無さそうに返事をする蛍。


「萩野私の浴衣はどうなのよー」


横からぶーっと膨れ、愛が私と同じように手を広げて見せる

それを隼が「あー可愛い可愛い」とすっごい棒読みで言う


「ま、いーや。それより早く回ろ!」


ぐいぐいと私と蛍の背中を押し、屋台が立ち並ぶ道に入って行く


カステラ、綿菓子、焼きそば、りんご飴など、お祭り定番の屋台が目に入り、ついつい進む足が遅くなってしまう


「何か食いたいのある?」


騒がしい人混みの中でも聞こえるように耳元に顔を近づけ言ってくれる


「何かは食べたいんだけど…」


こんなにいっぱいあったら何から食べようか悩んじゃうんだよね

うーん、と悩んでいる首元から顔が出てくる


「はーるっ、俺とわけよーぜ!んじゃ色んなやつ食えるじゃん」