隣に並び慣れない下駄の音が鳴り、それがいつの間にか周りに溶け込んむ


「あっ!春!」


向こうから手を振る金髪の男の人。隼だ


「隼ー!愛ー!」


少し早足で駆け、愛達の方に近づく


「…キャッ!」


小さな段差に気付かずにつまづき、前に倒れる


「うおっ、大丈夫か?」


隼の胸に飛び込み、そのお陰で怪我はない。
だけど隼が少し苦しそうだ。


「ごめん!隼痛くない?」


「大丈夫大丈夫、そんなやわじゃないっつーの。」


頭に手をポンと置き、隼の体から私を剥がした


「おっ、昨日の浴衣じゃん!やっぱ春に似合ってるな!」


「そう!お母さんに着付けてもらったんだぁ。」


手を広げ隼に見せていると、横から蛍が少し不満そうに口を開いた


「昨日萩野に会ったの?」


「うん、浴衣買った帰りにね。」


「ふーん…」