誰かと放課後にどこかに行くって初めてだなぁ。
今までは誘われた事もなかったしね。
今はHR、担任の話を右から左に抜けてって、頭のなかは蛍の事だけだった。
蛍、今私の書いている小説の男の子にそっくりだなぁ。
馴れ馴れしいってわけじゃなく、トゲトゲしくもなく、何て言うか、親しみやすい人だなって思ったもん。
「じゃあ気をつけて帰れよー、解散!」
その声だけがしっかり聞こえてた。
うわ、ぼーっとしてたなぁ
窓の外を見ると空が青く、夏の雲、入道雲がモクモクと浮かんであった。
暑そうだなぁ、もう7月だもんね
「桜、帰るぞー」
「っ!はーい!」
ダメだ、下の名前は急に呼ばれたらビックリしてしまう。
その時、蛍が私の名前を呼んだ時の女子の目など、全くわからなかった。

