私、春野桜(ハルノ サクラ)は高校2年生でもあり小説家でもある。


日々原稿の〆切に追われています。



「んー…」


「どうした?詰まったか?」


「そりゃ詰まりもするよ…恋愛経験無しの私に恋愛小説はキツすぎる。」


この前の作品の後、ファンの人達に
「ぜひ春野先生に恋愛物を書いてほしいです!」
って言うのが多かったため、担当の栗原凛(クリハラ リン)さんから
「ジャンル広げるのも大切だと思うよ?ほら桜ちゃんお兄さんいるし!」
とか言われ、書いてみることになったが…


「お兄ちゃん」


「ん?」


「キスってどんなの?」


「ブッ……お前……いきなりだなぁ」


お茶をブッと吹くお兄ちゃん。

仕方ないじゃん、キスなんかした事ないんだもん。



「今どんなシーン?」


「…壁ドンからのキス……みたいな?」


「あぁ…。んじゃ壁に立て。」


「ん」