「体力ないなぁ〜ルイは。
まっ、そんなことより早く席取らなきゃねっ!」


まだ人が少ない食堂。

それはそうだろう。
授業が終わってまだ一分も経っていないのだから。


深呼吸をして息を整える私を他所に、ミワは食堂の一番奥、日当たりのいい窓際の席に座って、私に向かって手招きをした。

そして、だんだんと人が多くなっていく食堂。


「お〜い!ルイ! はやくっ」

「はぁーい」


ミワがとっておいてくれた席に着いたときには、さっきの面影もなく食堂は、生徒で溢れかえっていた。



「はぁ〜っギリギリセーフ!
毎度毎度、ミワのおかげなんだからね〜感謝してよね?」


自慢げに言うミワに苦笑した。
その時、今まで騒がしかった食堂がより一段と、特に女子の声を中心に騒がしくなった。


それを合図に私の心臓が

ドキンと跳ね上がる。


「おっ。来た来た!
ルイ、きたよっ」


ミワが興奮した様子で私の肩をバシバシと叩く。

私は、高鳴る胸をおさえながら俯いた。