「おはよー」

「……うっわぁー。 予想以上にぶっさいく!」

「…ヒドイ」


次の日の朝。


昨日、一日中部屋にこもって泣いたせいで目はパンパンに晴れている。

そんな私を見て、ミワは呆れたような顔をして笑った。


「だって、アンタ勝手に一人で被害妄想して帰ってったじゃん。」

「被害妄想じゃないよぉ〜。
トウマくんの顔、見た?
凄く自然体で、楽しそうで、……毎週食堂で声掛けてもらってるからって、私浮かれすぎてた。」

「自然体なのは、そりゃ幼なじみだからでしょ? それに、まだわかんないじゃんか! 簡単に諦めちゃダメだよ?
ミワが走ったイミ無くなるでしょ!?」

「…んー。」


男女の幼なじみにしては、仲が良すぎるんじゃないの?

幼なじみだから仲良いんじゃなくて、好きだから仲良いんじゃないの?


……ダメダメ。

昨日、もうゴチャゴチャ余計なことは考えないって決めたでしょ!

もう絶対に泣いたりしないんだから。


幸い、今日は火曜日だからトウマくんに会うことはない。


勝手に走ってどっか行った私が悪いんだけど、謝りに行くのにも勇気が出ない。


私、またきっとあんな仲良い二人を見たら立ち直れなくなりそう。


きっとトウマくんは、なんだよコイツ

って思ってるよね。


せっかく心配してくれてたのに。

きっと、これからは食堂で会っても声を掛けてはくれないんだろうな。

……もしかしたら、私のせいで食堂に行く気が無くなってるかもしれない…。

ど、どうしよう。


私、もう食堂に行かない方がいいのかな。