恋色シンフォニー

「龍之介がさ、女の子を口説くように弾け、ってよく言うんだけど、ほんとに実行したのは初めて。おかげでシェヘラザードはみんなからエロいとか散々に言われた」

あー、確かに、あれは、色っぽかった……。

「話したり、一緒にごはん食べたりしたら、やっぱり好きになったけど、綾乃の気持ちが、僕に向くまで辛抱強く待った。

この間のトラブルは想定外だったけどね。

綾乃の方から卒演のDVDを見たいと言ったときはチャンスだと思ったよ。切り札にとっておいた甲斐があった」

くそー、はめられた……。

「それで、綾乃は?」

「え?」

「僕は綾乃が好き。綾乃は?」

……ここまでされたら、降参だ。
潔く答えるしかないじゃない。


「……好き、です……」


くそー、顔が熱い。

「ふふ、やっぱり」
「はっ⁉︎ やっぱり、って何⁉︎」
「好き合ってるのって、感覚的にわかるでしょ?」
「てか、さっきから、いきなり呼び捨てって」
「ずっと呼びたかったんだ」

どれだけ人の顔を赤くさせるんだ、この男は。