第3楽章。
早いテンポで、活気あふれる音楽を走らせていく。
のびやかな笑顔で、楽しそうに弾いている。
ヴァイオリンがオケを引っ張っていく。
いたずらっ子のように、オケと掛け合う。
曲はフィナーレへと突入していく。
あぁ、終わらなければいいのに。
ずっと、こうして、三神くんの演奏を聴いていたい。
……見ていたい。
そんな気持ちなどお構いなく、曲は進み、興奮が増してくる。
オケのみんなも顔が高揚している。
わかるよ。
こんなすごいソリストと演奏できてるんだもん。
曲のエネルギーは終結に向かって、
高まり……
高まり……
ヴァイオリンソロのハイトーンの一音が印象的に響きわたり、
オケとヴァイオリンの最後の重音がはじけた。
