恋色シンフォニー

ダイニングテーブルには、雑炊とフルーツという、超ヘルシーな食事が用意されていた。

三神くんはサッシを開けた。
春を感じるあたたかい風が吹き込んでくる。

向かい合ってテーブルにつく。
何だか照れくさくて、わざと元気に声をかけた。
「ご迷惑をかけたうえ、ごはんまでご馳走になり、ほんとにスミマセン」
「ほんとに。……いただきます」
「いただきます」
お互い手を合わせて、雑炊をふーふーし、いただく。
「おいひぃ……」
「身体の調子はどう? 頭痛くない?」
「……少し気持ち悪いくらいで、他は大丈夫……」
「そう。よかった」
「あの……ゆうべは、その、私、どんなだった……?」
三神くんは苦笑する。
「覚えてないの?」
「話してるとこまでは覚えてる……」
「僕の車に乗ったとたん、寝ちゃったんだよ。いくら起こしても起きないから、仕方なく家に連れて帰るしかなかった」
「……スミマセン……」
ああ、恥ずかしい。
こんなこと、初めてだ。
歳をとって、お酒が弱くなってきたのかなぁ。