恋色シンフォニー

圭太郎が店から出て、私のところへやってきた。
「彼女、ここの店長。で、セカンドのパートリーダー。メンコンの時のコンミス」

ああ、あの! かっこよかったコンミス!

「で、噂って何?」
「……さあ?」
とぼけるつもりだな。

「お待たせしました」
クールビューティな感じの店長さんが、外にいる私達に声をかけてきた。
圭太郎がお会計を済ませ、花束を受け取る。
シックでいて、センスを感じる花束だった。
普段花屋さんには来ないけど、何かあったらここに来よう。

「これは、彼女さんへ。私からの気持ちです」
色んなお花が入った小さい花束を手渡してくれる。
「かわいい! いいんですか?」
何かがなくてもお花を買いに来たくなる。
「オケを代表して、コンマスのこと、よろしくお願いします」
真剣な表情で言われた。
これまたデジャビュ。
圭太郎を見ると、苦笑していた。