恋色シンフォニー



そうして、次の土曜日。

まず、お花屋さんに寄った。

「いらっしゃい、ま、せ……」
背が高くて、ショートカットの綺麗な女性店員さんが、私たちを見て、驚いた顔をする。
この、挨拶がディミヌエンドするところ、以前にも経験があるような。

ぺこりと、お辞儀をする。
店員さんも、お辞儀を返してくれる。

そして、圭太郎へと向き直り。

「コンマス、その方が、噂の彼女さんですか」

どんな噂ですか。

「そうです」

圭太郎も、しれっと答えないで!

「お墓参り用の花束、お願いします」
「かしこまりました。ご予算は?」

何だか店内にいづらくて、外の鉢植えを見て回る。