恋色シンフォニー



ーーーー婚姻届。



ほぼ、白紙。

一箇所を除いて。


……そこは、証人の欄。

片方に、美しい字で設楽さんが記入してくれていた。


「昨日の龍之介のプレゼント、これ」

何というか。
さすが、というべきなのか。

「愛されてるね、圭太郎」

「愛なの、これ?」

「愛でしょう。……ちょっと気が早いと思うけど」

「いや、僕はとっくに結婚するって決めてたけど」

「はっ⁉︎」

「もちろん、出すのは、綾乃のご両親にご挨拶して、相談してから。
……ね、今度の休み、付き合ってほしいところがあるんだけど」