散々愛し合った後、さすがにもう寝ようと、並んで布団にくるまる。 「圭太郎」 「ん?」 優しい眼差しに、やっぱりきゅんとする。 「手、つないでいい?」 「いくらでも、どうぞ?」 あたたかい、大きな手。 あの演奏を生み出す手。 私をとんでもないところへ連れて行く手。 もう、一生、離さないから。 「おやすみなさい……」 「おやすみ」 圭太郎の声がかすれていた気がするな、と思いながら、私は眠りに落ちた。