恋色シンフォニー




「圭太郎……大好き……」
今日何度目かわからないくらい同じ言葉を言ったときだった。

「綾乃、結婚しよう」

はっ?
それ、今言う?
あの、その、ただいま、最中なわけで。
ベッドで圭太郎を受け入れているときに、言うこと?
溶けている脳みそを必死に立て直す。

「ここで、そういうこと、言う?」
「だって、そう思ったから。返事は?」
圭太郎が動く。
「んっ」
「今、うんって言った」
「言ってないから! プロポーズって、もっとこう、ロマンチックなシチュエーションでするものなんじゃないの? 誰かに、プロポーズはどこで、ってきかれたら何て言えばいいのよ!」
「家で、とか、適当に答えればいいでしょ? 何も、ベッドで、って素直に答えなくても」

このー。