♫
「こんな量飾れる花瓶ないっての。気に入った花は綾乃にあげる」
ぶつぶつ言いながら、圭太郎が花束のメッセージカードを確認していく。
私はその傍から花束を分解し、水を張ったタライやバケツに花を入れていった。
仏壇の周りは、花であふれた。
友達、大学オケのメンバー、古くは同じヴァイオリン教室だった人まで、たくさんの人から花束をもらったらしい。
花束以外にも、ワインや、お菓子など、すごい数の贈り物が受付に届いて、係の人は大変だったそうだ。
「綾乃、食べ物系は消費するの手伝ってよね」
「はーい」
ふと、封筒を開けた圭太郎が動きをとめた。
「どうしたの?」
圭太郎の方を向くと、紙をさっと封筒に戻した。
「いや、何でもない」
ピンクの封筒。
キレイな字で、“三神圭太郎様”とある。
もやっとした黒い感情が沸き上がる。
……元カノからの手紙かな。
……だとしても、別に、私がどうこういう問題じゃない。
……ここで問い詰めるなんて、いい大人のすることじゃない。
……この歳になれば、お互い過去に何かあるのは仕方ないんだから。
「よし、お花は終了。私、ごはんの支度するね。できたら呼ぶから」
「うん。ありがと」
隠してるけど、動揺しているのがわかる。
私は見ないふりをして立ちあがり、部屋を出た。
「こんな量飾れる花瓶ないっての。気に入った花は綾乃にあげる」
ぶつぶつ言いながら、圭太郎が花束のメッセージカードを確認していく。
私はその傍から花束を分解し、水を張ったタライやバケツに花を入れていった。
仏壇の周りは、花であふれた。
友達、大学オケのメンバー、古くは同じヴァイオリン教室だった人まで、たくさんの人から花束をもらったらしい。
花束以外にも、ワインや、お菓子など、すごい数の贈り物が受付に届いて、係の人は大変だったそうだ。
「綾乃、食べ物系は消費するの手伝ってよね」
「はーい」
ふと、封筒を開けた圭太郎が動きをとめた。
「どうしたの?」
圭太郎の方を向くと、紙をさっと封筒に戻した。
「いや、何でもない」
ピンクの封筒。
キレイな字で、“三神圭太郎様”とある。
もやっとした黒い感情が沸き上がる。
……元カノからの手紙かな。
……だとしても、別に、私がどうこういう問題じゃない。
……ここで問い詰めるなんて、いい大人のすることじゃない。
……この歳になれば、お互い過去に何かあるのは仕方ないんだから。
「よし、お花は終了。私、ごはんの支度するね。できたら呼ぶから」
「うん。ありがと」
隠してるけど、動揺しているのがわかる。
私は見ないふりをして立ちあがり、部屋を出た。
