恋色シンフォニー

私は圭太郎の胸から顔をあげる。
手を肩にかけ、背伸びをし、頬にキスをした。
「……ほっぺ?」
圭太郎が不満そうに言うので、笑いながら、唇にした。
自分から舌を絡める。

私の、圭太郎。
私だけの、圭太郎。

ああ、私にも独占欲があるんだな、と自覚する。

大好き、の気持ちをこめて、キスをして、身体を離す。

「ヤバかった……」
「え?」
「玄関で押し倒すとこだった」
ニヤリ、と笑う圭太郎。
「もう! 花束、どこに運ぶの?」
「和室。まだ車に残ってるんだ。楽器置いてから取ってくるから、それ運んでおいてくれる?」
「はーい」