出口に向かって歩いていると、隣にいた設楽さんが、急に、
「げ」
と言って立ち止まった。
同時に、
「龍之介〜!」
という女性の声がみるみる近づいてきた。
派手な洋服を着たおばさまが、満面の笑みでこちらにやってくる。
緋色のジャケットに、碧いロングスカート。
年齢不詳……。50代? 60代?
美人だけど、瞳は少女のようにキラキラ輝いていて、人懐こい印象。
設楽さんは、はあぁー、と大きなため息をついた。
お知り合い?
「龍之介、久しぶり! 元気だった?」
わっ。
おばさまが設楽さんに抱きついた。
設楽さんはあきらめたように、おばさまの背中に手を回した。
まさか?
設楽さんのカバー範囲、広すぎやしませんか……?
「元気だったよ。来るとは思わなかった」
設楽さんはおばさまの身体を離した。
「だって、可愛い圭ちゃんが協奏曲弾くっていうんですもの、聴きに来ないわけがないでしょう?」
け、圭ちゃん?
「だからって、はるばるイタリアから来るなんて……。連絡くらいすればいいだろ」
「龍之介を驚かせようと思ったのよ〜。彼女のお姿も見たかったしね」
おばさまは私を見てにっこり笑う。
いえ。違いますから。
「彼女は、圭太郎の彼女」
「こんにちは」
「あらぁ〜! あなたが、圭ちゃんが愛を語ったお相手なのね!」
うわ、恥ずかしい!
またも“分かる人”登場⁉︎
このおばさまはもしかして?
「げ」
と言って立ち止まった。
同時に、
「龍之介〜!」
という女性の声がみるみる近づいてきた。
派手な洋服を着たおばさまが、満面の笑みでこちらにやってくる。
緋色のジャケットに、碧いロングスカート。
年齢不詳……。50代? 60代?
美人だけど、瞳は少女のようにキラキラ輝いていて、人懐こい印象。
設楽さんは、はあぁー、と大きなため息をついた。
お知り合い?
「龍之介、久しぶり! 元気だった?」
わっ。
おばさまが設楽さんに抱きついた。
設楽さんはあきらめたように、おばさまの背中に手を回した。
まさか?
設楽さんのカバー範囲、広すぎやしませんか……?
「元気だったよ。来るとは思わなかった」
設楽さんはおばさまの身体を離した。
「だって、可愛い圭ちゃんが協奏曲弾くっていうんですもの、聴きに来ないわけがないでしょう?」
け、圭ちゃん?
「だからって、はるばるイタリアから来るなんて……。連絡くらいすればいいだろ」
「龍之介を驚かせようと思ったのよ〜。彼女のお姿も見たかったしね」
おばさまは私を見てにっこり笑う。
いえ。違いますから。
「彼女は、圭太郎の彼女」
「こんにちは」
「あらぁ〜! あなたが、圭ちゃんが愛を語ったお相手なのね!」
うわ、恥ずかしい!
またも“分かる人”登場⁉︎
このおばさまはもしかして?
