私がお風呂から上がると、先にすませていた三神くんが、本棚の前で漫画を読んでいる。
「すごいね。音楽ネタの小説と漫画。綾乃がロマンチストなのがわかる」
私が中学生の頃から集めてきたバイブルたち。
「粗探しはやめてね。喧嘩したくないから」
「あはは。了解」
三神くんは本棚に漫画を戻した。
私がキッチンで麦茶を飲んでいると、三神くんが後ろから抱きついてきた。
「こら、こぼれるから」
「だって、もう、限界。どれだけ我慢したと思ってるの……」
うわ。
さっきのほのぼのした雰囲気はどこへ、っていうくらい、色気を溢れさせている!
そして、この手! エロすぎるからっ!
「飲み終わった?」
私は観念して、グラスを置いた。
途端、斜め上を向かされ、唇を塞がれ、舌が絡んでくる。
わっ、いきなり⁉︎
だから、この手っ!
あーもー‼︎
私はくるりと向き直り、三神くんの首に腕を回した。
私も、ずっとしたかったよ。
