恋色シンフォニー


爽快感あふれる第3楽章は減速と加速を繰り返しながら、突き進んでいく。
ジェットコースターみたい。
うわー、気持ちいい!
たまんないや。

設楽さんも、笑顔で気持ち良さそうに弾いている。
そりゃご本人も気持ちいいだろうな。


音楽は、終わり間近でいったん緩んだ後、再び勢いを増して、ラストになだれ込む。

最後のヴァイオリンの重音の絶妙な鳴らし方といったら!
トゥッティの入るタイミングもばっちりだった。

しびれた……!

すごい……。
さすが設楽さん。
さすがプロオケ。

沸き起こる拍手。
私も目一杯拍手を送る。

が、イヤイヤ拍手をしている人が、隣に一名。

……三神くん。
定演でのシェヘラザードの時、設楽さん、真っ先にブラボーって言ったんだよ?



アンコールは、バッハのパルティータ第3番、ブーレ。

……意外と正統派なんだ。
パガニーニとかやっちゃうのかと思った。

音色も弾き方もバッハらしく、端正に音を紡いでいく。

朝の森の、清澄な空気を吸ったような気持ちよさ。

ホールの空気をガラリと変えてしまった。


やっぱり、すごい人なんだなぁ、三神くんを教えた人。