恋色シンフォニー



「初デートがホームセンターっていうのも何だけど」

お昼ごはんを食べた後、お泊り用の生活用品を揃えに、近くにある大きなホームセンターにやってきた。

「私はいいけどな。土日のホームセンターって、日常生活の幸せに満ちてる気がして、好き」

家族連れ。カップル。1人暮らし。
それぞれ、生活を彩るためにここに集まってるんだな、って微笑ましくなる。

「小売、好きなんだね」
「うん、そうだね。ドラッグストアも、好きで入ったようなものだから」
「やっぱり綾乃はすごいや」
「は?」

三神くんが、私の手をとった。

手をつないで歩く。
いくつになっても、うれしいものなんだな……。

「綾乃、何色がいい?」
三神くんがヨガマットを指さしている。
「ストレッチ用に買おう」
「ほんとにやるの?」
「やる。身体はほぐしておいた方がいいって」
なーんか、三神くんが言うと、裏がある感じがするんだけど。