君色のソナチネ





「うーん、微熱があるようね。」


そう言うと、先生は手際よく氷枕をつくり、純怜の頭の下に敷く。


「多分、疲れが出たんだと思うわ。
あなた達、何か心当たりはない?」


特にないな〜なんて思いながら、神峰君の方を見ると、少しだけ顔が曇った気がした。


「まぁ、いいわ。
ちょっとこれから私行かなきゃいけないところあるから、水姫さんのことお願いできるかしら?」

え?


「先生、純怜は大丈夫なんですか?」

先生がついていなくても。


「えぇ、大丈夫よ。
直ぐに目も覚めると思うわ。
水姫さんが起きたら、授業に出ていいと伝えてくれる?」


まぁ、そういうことならいいか。
次の授業は自習だし。


「はい、分かりました。」


そう言うと、野坂先生はニコりと笑って出て行ってしまった。

ほんと、のんきだなぁ〜。